Dermatology一般皮膚科(保険診療)
粉瘤
粉瘤とは
粉瘤とは、良性の皮膚腫瘍の一種です
・大きくなってきたしこり、腫れ、できもの
・表面に黒い点があるしこり、腫れ、できもの
・臭いのするしこり、腫れ、できもの
・たまに赤くなり、痛くなるしこり
患者様ご自身は「脂肪の塊」として認識していらっしゃる場合が非常に多いですが、実際にはそうではなく内部にたまっているのは角質(皮膚の垢)で、脂肪腫とはまた別物です。時に感染を起こして赤く腫れあがることがあります。痛みを伴いますので、ご来院されるきっかけとなることが多いようです。
粉瘤の原因
はっきりとしていない部分もありますが外傷や何らかの刺激、ウイルス感染などのきっかけにより皮膚の下にふくろ状の構造物ができ、その中に皮膚から剥がれ落ちるはずの垢や皮脂がたまってくるので、徐々に大きくなっていきます。 そこに細菌感染をおこすと赤く、さらに腫れて痛みを伴うようになります。 どのような方にできやすいのかは明確にはされていませんが、体質的に粉瘤がたくさん出来てしまう方はいらっしゃいます。
粉瘤の治療方法
感染を起こして炎症が強い場合(赤く腫れあがり痛い状態)は、時に排膿の処置を行い抗生剤の内服を処方いたします。基本的には付け替えの通院がしばらく必要となります。粉瘤は、皮膚の内部に袋がある状態ですので、この袋を取り除かない限りには感染による炎症を繰り返す可能性があります。
つまり、根治のためには袋ごと取り出す手術を行う必要があるのです。ただ手術を行う場合、傷跡のご心配があるかと思います。
症状によっては「くりぬき法」が可能な場合もあります。どの治療法が選択できるか、通院期間、治療費用(保険適応)は粉瘤の大きさや場所、診察時の状態にもよりますので、まずはご来院の上ご相談ください。
手術の流れ
くりぬき法の場合
1.マーキングを行います
2.局所麻酔の注射(術中の痛みは基本的にこの時だけです)
3.特殊な丸い刃物で粉瘤の中心に穴をあけます
4.内容物を押し出します
5.粉瘤の被膜(袋)を取り出します
6.取り残しがないことをよく確認して、洗浄します
7.そのまま開放創とし、ガーゼで覆い手術終了です
8.ご自宅での注意点などをご説明いたします
切除手術の場合
1.マーキングを行います
2.局所麻酔の注射(術中の痛みは基本的にこの時だけです)
3.粉瘤のしこりを取り出します
4.傷の縫合を行い、ガーゼで覆い手術終了です
5.ご自宅での注意点などを説明いたします
6.翌日受診してください
7.1~2週間後に抜糸予定です
(感染時の切開法の場合)切開排膿
1.局所麻酔の注射
2.腫れている所をメスで切開します
3.内容物(膿みやアカ)を押し出します
4.必要に応じてガーゼをつめこみ、上からもガーゼで覆います
5.翌日にも受診が必要です
処置後の注意点
・受診時に指示された通りに受診をつづけて下さい
・処方された内服薬を最後まで飲み切って下さい
料金
診察、検査、処置、処方、手術のすべてが保険適応となります。
よくあるご質問
- Q.自然に治りますか?
- A.自然には治りません。外用薬のみでは治りませんのでクリニックを受診して適切な処置と処方をうけ、指示された時期に手術をうけて下さい。根治を希望する場合は手術をご検討ください。
- Q.自分でつぶしてもいいですか?
- A.一時的にはふくらみが小さくなることはありえますが、かえって感染をおこすきっかけになったり周囲の組織と癒着して、後々の手術をより困難なものにしてしまう可能性があります。自分でつぶすことはやめましょう。
- Q.治療は痛いですか?
- A.処置時には極細の針で局所麻酔の注射を行います。痛注射の瞬間は痛いですが、麻酔が効いた後の切開は痛みはほとんどありません。
- Q.何回通院しないといけませんか?
- A.症状によりますが、2~5回程度です。