Dermatology一般皮膚科(保険診療)
ニキビ
ニキビとは
ニキビとは医学的には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)といわれる病気です。 誰も持っている肌の常在菌であるアクネ菌が主な原因となります。
特に思春期にはホルモンの分泌が思春期に増加することで毛穴の奥の皮脂腺から皮脂がたくさん分泌されます。皮脂が多いお肌では特ににアクネ菌が増殖するため、毛穴がつま るだけではなく炎症がおきて、赤ニキビへと発展します。
大人になってからも、ストレスなどが原因でホルモンが過剰になったり バランスがくずれたりするとニキビができやすくなります。肌の細胞には、一定周期ごとに生まれ変わるターンオーバー機能がありますが、年齢とともにそれが乱れると、毛穴の出口の角層もはがれないでとどまり、厚くなって出口をふさぐようになってしまいます。
思春期ニキビも、大人ニキビも、クリニックでの治療であればこうした毛穴のつまりを改善する塗り薬や抗生物質の飲み薬の処方をご相談頂けます。まれにニキビダニ(毛包虫)が原因となるニキビの場合もありますので、診察時には顕微鏡検査をおこなっております(保険診療)自己判断はせずに、皮膚科でのはやめのご相談が大切です。また、ニキビ跡治療のご相談もしていただけます。
ニキビの治療方法
塗り薬(保険)
ベピオ
BPO(過酸化ベンゾイル)という主成分で、欧米では50年以上前からニキビ治療のスタンダードとされてきた外用薬です。抗菌作用と角質剥離作用の両方を併せ持つ外用薬です。抗生物質とは効き方が異なるため、薬剤耐性(くすりが効きにくくなること)が出現せず、そのため長期間 えもにわたって使用していただくことが可能です。毛穴のつまりを改善してくれるので、ニキビができにくいお肌を保つ役割もあります(治療が軌道にのり新しいニキビができにくくなってきてからも、そのお肌の状態をキープする“維持療法”としても使用を推奨しております。) 保険診療として承認されたのは2014年で、日本では比較的新しい治療薬です。
ディフェリンゲル
毛孔の異常な角化をおさえ、角質をはがすことにより、毛穴のつまりを改善します。ニキビ初期の白ニキビや黒ニキビ、コメドの部分に夜の洗顔後にのみ、塗ります。ピーリング作用があります。※ 妊娠中・授乳中の方は使用できません。
ゼビアックス
オゼノキサシンという抗菌剤の外用薬です。 従来ニキビの治療に使用されていた塗り薬のアクアチムやダラシンTとも近い系統と言えます。この治療薬の特徴は1日1回の塗布でいいという点です。とくにお化粧をする女性の場合、朝の塗り薬は続けるのが困難になることも多かったのですが、夜1回で済むこの外用薬なら続けやすいと好評です。
デュアック配合ゲル
抗生剤のクリンダマイシン1%(ダラシンTと同等)と過酸化ベンゾイル3%(ベピオ2.5%と主成分はほぼ同等)が1本の塗り薬に同時に配合された合剤です。2本の薬の効果が1本で発揮できる点は優れており、塗り方が簡単です。
エピデュオゲル
主成分に「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」を含むニキビ治療薬です。ニキビの原因となる、毛穴つまりの改善やアクネ菌の増殖を抑制します。
ダラシンTゲル
ニキビを悪化させるニキビ菌(アクネ菌)やブドウ球菌などの細菌を殺菌する抗生物質です。膿がたまったり、赤くはれ炎症を起こしているニキビ部分に朝と夕の洗顔後に塗ります。
飲み薬(保険)
ミノマイシンおよびルリッド(抗生物質)
ニキビの元になるアクネ菌を減らすことによって赤ニキビをできにくくするお薬です。
漢方薬(十味排毒湯)
漢方薬には体の中の毒素を排出する効果や、便秘を解消する効果があります。抗生物質とは違い、耐性菌をつくってしまう心配はないため比較的長期にわたって服用していただけます。便秘を解消する作用があるため、便が緩くなる場合もありますのでその際は服用回数を減らすようにしてください。基本的に一日3回タイプの細粒ですが粉は苦手な方に、種類によっては錠剤タイプもあります。
よくあるご質問
- Q.ニキビはつぶしたほうが良いですか?
- A.状況によって医療機関で行うことがありますが、ご自身では行わないほうが良いと思います。
- Q.ニキビ対策のために生活上注意することは?
- A.睡眠不足やストレスがニキビを悪化させることが分かっています。ストレスにより、掻破行動(ニキビを触ったり、擦ったり、つぶしたり)が助長されニキビが悪化するとされています。またストレスによりCRHというホルモンの分泌が増強し、CRHが直接、皮脂腺に作用し、皮脂産生を促すことで、ニキビを悪化させるというメカニズムもあります。