Dermatology一般皮膚科(保険診療)
円形脱毛症
円形脱毛症とは
早めに受診をし、治療を行いましょう
初めて円形脱毛症を経験した方はびっくりされると思います。また子供のころから脱毛を繰り返している方もおられるでしょう。円形脱毛症は軽傷から重傷まで、子供から大人まで、幅の広い皮膚病です。髪の毛は毎日細胞が生まれ変わることで伸びますので、少しでも邪魔が入ると上手く生えることが出来なくなります。その邪魔の一つが、髪の毛の周りに起こる“炎症”です。
髪の毛の周りは元来“炎症”が起きにくくする仕組みがあるのですが、その仕組みの働きには遺伝的な個人差があるようです。つまり、円形脱毛症になりやすい人とそうでない人がいらっしゃいます。また、アトピー性皮膚炎や甲状腺疾患などとも関連性があることもわかっています。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症では、頭髪に「自己免疫反応」というものが起きています。正常の免疫反応は、体内にウイルスや細菌などの異物が入ってきた際にTリンパ球という細胞が異物を攻撃するというものですが、このTリンパ球が異常を起こし、正常な自分の細胞を攻撃してしまうことがあります。これを「自己免疫反応」と呼びます。
円形脱毛のタイプ
円形脱毛症は脱毛斑の数、範囲、形態などにより分類されます。円形の10円玉や500円玉のような形での脱毛が1ヶ所であれば「単発型」、2ヶ所以上あると「多発型」と言われます。脱毛の範囲が頭皮の25%以上になると重症となります。重症の円形脱毛症には、「多発型」や頭髪の生え際が帯状に脱毛する「蛇行型」、頭髪の全てが抜ける「全頭型」さらに、眉毛や腋毛などの体毛も抜けてしまう「汎発(はんぱつ)型」という種類もあります。
円形脱毛症の治療方法
外用薬
ステロイド・塩化カルプロニウム
軽症であれば、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用薬で治療を行います。
当院では行っていませんが、SADBEというわざとかぶれを起こすような薬を定期的に塗ることで、刺激して発毛を促す方法があります。
よくあるご質問
- Q.ストレスは関連があるのでしょうか
- A.円形脱毛症のほとんどはストレスと関係なく発症しますが、中には強いストレスが発症のきっかけになることも1割程度であります。この1割の方のイメージが強く、また昔から漫画やテレビなどで「円形脱毛症はストレスによるもの」というイメージが作られているので、ストレスが関連していると思われる方が多いのかもしれません。
- Q.脱毛部から生えてきた髪の毛が白いのはなぜですか?
- A.円形脱毛症は免疫の細胞が毛包を攻撃して髪の毛が抜けてしまいますが、同時に色を作る細胞も攻撃されてしまいます。ですので、毛包が回復しても色を作る細胞が回復していないと白髪として生えてくるのです。ただ、ずっと白髪のままのことは少なく、時間が経つとまた黒い髪の毛に戻ることが多いです。
- Q.円形脱毛症はどれくらいで治りますか?
- A.湿疹やかぶれと違って円形脱毛症は治るまでに時間がかかる病気です。500円玉くらいまでのサイズであれば、3か月以内に良くなることもありますが、それより大きかったり、数が何か所もある場合には半年や1年を超えて治療が必要なこともあります。治療には根気が必要ですが、何も治療しないよりも治るまでの時間を短くすることはできるはずです。まずは受診をしてみてください。